「早飯、早糞、芸のうち!」
んまっ!なんて悪しき習慣!!!
皆さんの「食事にかける時間」はどのくらいでしょうか?
現代人は早食い傾向!?
農林水産省によると、
戦前の1回の食事は1420回噛み、所要約22分だったのに対し、
現代の食事は620回で約11分と、噛む回数、食事時間とも半分に減っています。
また近年、「核家族化」やライフスタイルの多様化により、
家族がそろって食事をする「団らん」の機会が減り、
食生活も多様化しています。
一人で食事をする「孤食」や、同じ食卓に集まっていても、家族がそれぞれ別々のものを食べる「個食」が増え、
家族そろって生活リズムを共有することが難しくなっているようです。
このことも早食いを助長する要因となっているのかもしれません。
早食いは肥満の元
食べる速さを体型別にみると、
肥満(BMI25以上)の男性で「速い」と回答した人が63.9%
肥満ではない人に比べて多いことがわかりました。
他にも、早食いの習慣がある人ほど肥満度が高いという研究報告があります。
早食いでは、脳が満腹を感じるまでに食べ過ぎてしまうことが考えられます。
1口の食事に理想とされる咀嚼回数は、なんと30回。
現代では食生活の変化(柔らかくすぐ食べられるものが好まれる傾向)や食品の加工技術向上によって
噛む回数は減少傾向にあります。
試しに数えてみてください。30回噛み続けていない人の方が多いと思うのです。
では、どうして30回噛むのが理想なのか?
これは一口に30回ほどかけて咀嚼しなければならないような食事を取るように
食生活を見直す必要もありそうです。
噛むことで得られる健康効果

よく噛む事でどんな効果があるのか、日本咀嚼学会では「ひみこのはがいーぜ」と言う標語で紹介しています。
ひ:肥満を防ぐ
よく噛む事で満腹中枢を刺激し、食べすぎを抑えます。
み:味覚の発達
唾液としっかり混ざる事で本来の味をしっかり味わう事ができ、味覚が発達します。
こ:言葉の発音がはっきり
口周りの筋肉が発達し発音も良くなり、表情も豊かになります。
の:脳の発達
噛んで歯を動かしている間は脳が活性化します。お子様は知育を助け、高齢者は痴呆の予防に役立ちます。
は:歯の病気を予防
食物が歯に当たる事で表面が磨かれ、唾液の分泌も良くなることから虫歯や歯周病の予防に役立ちます。
が:ガンの予防
唾液中の酵素には発がん物質の発がん作用を消す働きがあると言われています。食物を30秒以上唾液に浸すと効果的。
い:胃腸の働きを促進する
よく噛む事で消化酵素の分泌を促進、胃腸の働きを正常に保ちます。
ぜ:全身の体力向上
噛む事で全身に力が入り体力や運動能力の向上に役立ちます。
栄養的にも、よく噛んで摂取した食材は消化されやすく、栄養素として吸収されやすくなります。
また、消化器の負担を軽減するので、消化器の老化予防にもなるし、便秘などの解消にもつながります。
噛む回数を増やす方法
和食に注目!噛み応えのある食事をとる

昔から食べられている日本食は、
魚や野菜、キノコ類、海藻類など、カロリーを抑えて食物繊維を豊富に含んだものが多いのが特徴です。
咀嚼回数の理想が30回なのは、和食をベースにした食生活を想定しているからだと考えられます。
和食は、咀嚼回数が必然的に増やせるのです。
しかも、野菜を多く摂取することで健康にも大いに良い効果が期待できるでしょう。
忙しくて料理なんてしない!という人は
外食でも買い食いでも、意識して和食を選んでみましょう。
「+●●円で味噌汁を豚汁にできる」などの特典があれば利用してみるのも吉。
具沢山のお味噌汁は野菜を摂取しやすくてお勧めです。
食事前にガムをかむ

ダイエット目的の人に限り、これをお勧めします。
先に満腹中枢を刺激することで、食べる量をコントロールするというわけです。
空腹のピークに食べ始めるよりも、ガムを噛んで空腹を落ち着かせることで
食べるスピードも自然にゆっくりになることが期待できるのでは。
お金のかからない咀嚼ダイエット、咀嚼健康法。
ぜひ次の食事から、噛む回数を意識してみて下さい。