空腹というと、「頭が働かない」「力が出ない」「イライラする」といった状態が連想されますね。
実際は優れた効果をもたらしてくれるものでもあるんです。
1日3食=標準的な食生活という認識をしている人とが多いと思いますが、
今日は空腹状態が健康である理由を紹介してみます。
生活スタイルによっては1日3食じゃなくても良いかもしれません。
空腹状態、体内では何が起きている!?

胃は、お腹のほぼ中央にある臓器。
実際には管状の消化管の一部で、胃の部分は管がカーブしながら大きく膨らんで、内容物がたまるようになっています。
筋肉でできていて、空腹時には縮んで、満腹になると1.5リットル容量くらいの大きさまで膨らみます。
この筋肉は、毎分3回程度の自律的な収縮を、ゆったりと休みなく繰り返しているのですが、
空腹時は毎分3回、5~10分間にわたって強い収縮運動を始めます。
この収縮は胃腸の中を掃除する働きをしていると考えられています。
食物の残りカスや古い粘膜をそぎ落とし、胃腸の中をきれいにする・・・この時に腸管内のガスも動くため、お腹がぐーっと鳴るのです。
掃除したので、次の食事の受け入れ準備OKですよーという合図でもありますね。
空腹が続くと、強い収縮は通常約90分ごとに置きます。
1日3食とすると、朝食と昼食の間、昼食と夕食の間にせいぜい各1回ずつ。
ストレスで胃もたれ気味の日なら、一度も強い収縮は起きていないかもしれません。
強い収縮が最も起きやすいのが夜間で、睡眠中に何度か収縮して掃除し、朝にはそれを便として排出するというサイクルになっています。
朝空腹で目が覚め、元気に朝ご飯を食べられるコンディションはとても理想的と言えますね。
だから、寝る直前に何かを食べると、夜の強収縮はおきません。
そして、睡眠中は消化作用が進まないということをご存知でしたか?
つまり朝まで胃が空にならない・・・そうなると朝から胃がもたれるし、強収縮不足で便秘にもなりやすくなってしまいます。
空腹状態は深い睡眠を導きますが、胃に食べ物が入っている状態は睡眠が浅くなってしまって、疲れが取れなくなります。
空腹がもたらす素敵な効果

アンチエイジング
空腹状態の時、サーチュインという遺伝子が活発に細胞の点検をしてくれます。
サーチュイン遺伝子とは、サーチュインという酵素を活性化させる遺伝子の事です。サーチュインという酵素の働きによって、老化の原因と言われている活性酸素や、免疫細胞の異常を抑制し、生物の寿命を伸ばす事で知られています。
そして、傷ついた細胞があれば修復し、老化や病気を食い止めてくれます。
サーチュイン遺伝子は別名「若返りの遺伝子」!
食事の量を約25%減らすことによって活性化されるサーチュイン遺伝子は、様々な生物ですでに健康寿命を伸ばす事が分かっています。
最近お肌や身体の調子が優れない・・・空腹感もあまり感じられない、という方は意図的に食事の量を減らして体調の変化を観察してみるのもいいかもしれませんよ。
目安は腹6分目~8分目。
血液サラサラ
サーチュイン遺伝子により細胞が活性化されると、善玉ホルモンが分泌されます。
このホルモンは、血管をキレイに掃除してくれます。
血管がキレイになると、キレイな血液が流れ、血液循環がスムーズになります。
美肌
サーチュイン遺伝子が活性化されると、細胞内の小器官「ミトコンドリア」が活発に動くようになります。
ミトコンドリアは酸素を利用して生きるために必要なエネルギーを作り出しています。
「生きるために必要なエネルギー」、と言っても色々な活動が思い起こされますが、傷ついた遺伝子を治すのにもエネルギーが必要なのです。
お肌は日々、老化が進んでいます。
それは、傷ついた細胞の修復が追い付かなくなっているからなんです。
サーチュイン遺伝子やミトコンドリアが活発になることによって
お肌の新陳代謝もあがり、しわやシミ、たるみなどが改善が期待できます。
空腹感の感じ方
人が空腹感を感じるのは血糖値と関係があります。
食事を摂らない時間が長く続くと、血液中のエネルギーがどんどん少なくなっていく為、血糖値が下がります。
お腹が空いたと感じるとき、胃に何もない状態をイメージしがちですが、
実は血糖値が下がり、脳がエネルギーの補充が必要と判断して、
空腹感を感じる信号を出しているのです。
血糖値は食事を始めて20~30分ほどで徐々に上昇し、
食後1時間くらいでピークを迎えます。
血糖値が上がって一定以上になると、エネルギーが足りていると脳が判断し、
満腹感を得られるという仕組みです。
そしてまた3~4時間後に血糖値が下がりはじめ、脳から空腹感の信号が出されるというわけです。
偽物の空腹感!?
変な食欲を感じたことはありませんか?
食べても食べても、まだ足りない・・・という満たされない感。
ズバリ、原因は
①栄養の偏り
②睡眠不足
③ストレス
の3本です!!!
睡眠不足の状態が続いていると、満腹中枢を刺激してくれるレプチンというホルモンが分泌されにくくなります。
そうすると食欲を刺激するグレリンというホルモンの分泌が増えます。
グレリンはストレス過多になっている時に多く分泌され、食べても食べても空腹が満たされにくい状態になります。
また、栄養バランスの偏った食事をしていると、空腹感が増しやすいのです。
特にビタミンやミネラルの不足は、糖質やタンパク質を分解・吸収することが難しくなるため、脳が空腹感の信号を出し続けてしまいます。
また、身体が水分不足の時にも空腹と錯覚することがあるようです。
1日の中で、空腹感を感じつつ、栄養バランスを整える。
そして良質の睡眠をとる。
・・・そうすれば健康美が手に入る!
ならば、適当にお菓子をつまむ手を止める原動力になるでしょ?
生活しているだけで美しくなる習慣をぜひ取り入れていきましょう。
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体内の細胞が活性化し、健康効果を得るには、
30~60分空腹状態を保つことです。
その後食事を摂ることが健康や若さを保つ秘訣となります。
社会人、なかなか好きな時間にご飯に行けないこともありますよね。
お腹がグーと鳴ったら
今、私はキレイになってるわ・・・!
と考えてみましょう。