私の友人に朝起きたらまず鎮痛剤を飲む、という習慣の人がいます。
飲まないと、その日は仕事にならないんだとか・・・
調べてみたところ、日本の片頭痛人口はおよそ840万人で、その内訳は男性:女性=1:3。
女性に多いことが分かりました。
発症年齢は男性は20~30代、女性は30~40代が最も多く、慢性的な片頭痛に悩むのは現役で仕事を頑張っている世代。
これは由々しき事態・・・!
鎮痛剤はその場しのぎになりがち・・・

鎮痛剤=健康に悪いということが言いたいわけではありません。
痛みを我慢している状態はとてもつらいものです。
そんな時に鎮痛剤は頼もしい存在であることは間違いありませんし、
市販でも簡単に手に入ることもあり、常用している人は多いのではないでしょうか。
鎮痛剤の主成分
アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソプロフェン、
アスピリン、ジクロフェナクナトリウム
などが代表的です。
これらは痛みの原因を取り除くのではなく、一時的に痛みを抑えるためのものです。
鎮痛剤のCMは往々にして、
服用した後すべてが解決したかのような爽快な演出がされていることが多く
この点に関しては誤解を招きがちなのではないかと思います。
鎮痛剤の服用が常用化してしまうのはこのためではないでしょうか。
鎮痛剤を服用する時には
根本解決にならないということは認識する必要があると思います。
片頭痛は病気になる前の症状
東洋医学には未病という概念があります。
未病とは、「病気未満」にあるということで、
まだ病気にはなっていないが、継続した自覚症状があり、
放置すると病気に直結するであろう状態のことを示すものです。
西洋医学的な側面からは「片頭痛持ちは、心筋梗塞や脳卒中になりやすい」という研究報告がされています。
未病の段階で症状の進行を食い止められれば、病気になりにくい身体をつくることができます。
近年西洋医学では治療しにくい病気に対して中医学による治療が効果を上げており、中西結合に向けた医療の発展が進んでいます。
日常的に両者の長所と短所を考えて、うまく取捨選択することで、より一層の健康を実現することができるはずです。
片頭痛の原因と対策

発作性で頭の片側、あるいは両側にズキズキする痛みを起こします。
数時間~数日続くこともあり、頭痛発生時には音や光に敏感になることもあります。
片頭痛は脳の血管が一度収縮したあとに拡張して起こる痛みと言われ、ストレスや不規則な睡眠、臭いや音、まぶしい光などが誘因と考えられています。また、脳の病気が原因となる頭痛もあり、痛みが強い時や長引くときには何が原因なのか検査をする必要があります。
まずは原因と対策をしっかり把握しておきましょう。
内分泌(ホルモン):
ホルモンは特定の臓器で産生される物質(ステロイドやペプチド)で、主に血液中に分泌されます。
血管内で運ばれるため、女性に多い生理前に頻発する頭痛はホルモンが原因です。
妊娠期には納まることが多く、出産後に再発することも多いです。
最も大事な対策は生理痛が起きないような体を作ることです。
生理痛改善はこちらを参考にしてください。
食事:
乳製品、チョコレート、辛い物など刺激性の食べ物の取り過ぎや、喫煙、飲酒によって引き起こされます。
生活の不摂生による頭痛は、「気」「血」の流れが悪くなります。
こうした頭痛は、高血圧や糖尿病など慢性病を患っている人にも多い症状です。
バランスの良い食事や質の良い睡眠など、日頃の生活から血流をサラサラ、スムーズにする習慣を身につけましょう。
その他:
緊張、精神的ストレス、栄養不足、睡眠不足、気候の変化、脱水症状
過度なストレスを受けることでも気血の流れが悪くなり、頭痛が起こりやすくなるのです。
ストレスに弱いタイプの人や、イライラしやすい人は、日頃から上手にストレスを発散し、体調の変化に意識を向けることを心がけましょう。
人間の体は約80%が水でできています。台風や低気圧が近づいて雨が降ると体内の水分にも影響を及ぼすと考えられています。
湿度が高い環境にいると、体がうまく水を処理できなくなってしまうため頭痛が起きます。
これは東洋医学では水毒という症状であり、体内の水分をコントロールする必要があります。
利尿作用のある食べ物(玄米、そば、海藻、きのこ、たけのこ、なす、アスパラガス、かぼちゃ、じゃがいも、こんにゃく、バナナなど)を摂取するほか、
普段より飲む水の量を抑えるのも良いかもしれません。

東洋医学では頭痛は頭だけの問題でなく、身体全体の不調と考えて対処することが大切とされています。
頭痛を抑えるのではなく、
体内を健やかに保つことで、頭痛が起きにくい体質に改善することが
片頭痛を解決させるための一番良い方法です。
もちろん体質改善なので、鎮痛剤のように飲んだら痛みが消えるというものではありません。
少しずつ、少しずつ、鎮痛剤の量を減らし、完全に飲まなくてもよい体づくりをしていきましょう。
「体内美容」のページには他にも体質改善の記事を載せています。
ぜひ参考にしてください。
ただし、頭痛には病気が潜んでいることも忘れずに。
がまんできないほどの激痛や異変を感じたり、痛みが強くなるような場合には、
すぐに病院で検査を受けるようにしてください。