梅雨という季節
季節は一般的に、春・夏・秋・冬の四季と捉えられていますが、薬膳のベースとなる中医学では
そこに梅雨(中国では長夏と呼ぶ)という概念を加えて季節の変化を五季で考えます。
雨が降り続き、湿度の高い梅雨。
体内にも余分な水分が溜まってしまい、体が重だるくなりやすい時期です。
また、6月21日には夏至があります。
陽の気が最も多くなると言われてはいますが、この時季の日本では湿気が特に不快に感じる季節に突入しています。
むくみ、だるさの原因は湿邪

湿邪とは
体の不調を引き起こす湿気を、東洋医学では湿邪と呼びます。
湿度の高い時期は、余分な水分や老廃物が溜まることで心身の不調をもたらします。
東洋医学では、体内に溜まった湿邪が冷えを引き起こし、血液の循環が滞って代謝が悪くなるとされているので、
梅雨の時期は体の重だるさ・頭痛・神経痛・関節痛・むくみ・胃もたれ・食欲不振などを感じやすい傾向にあります。
とくに女性は湿気による「冷え」の症状があらわれやすいです。
低気圧が近づくと具合が悪くなる・・・という方も湿邪がたまっているかもしれません。
梅雨は特に脾のケアを

この時期、体にたまりやすい湿を最も嫌う臓は【脾=消化器官=主に胃】です。
脾は食物を消化吸収し、全身に送り届ける役割を担っています。
湿が脾にたまるとその働きを阻害し、
食欲が湧かない、何となく消化が悪い、体がだるい、疲れやすい
などさまざまな症状が出てきます。
食養生のポイントはなるべく生もの(特に刺し身など)は多食せず、冷たい飲み物も避けることです。
胃の弱い方は意識して消化がよいもの、温かいものを選ぶようにしましょう。
むくみなどが気になる方は
トウガン、ハトムギ、小豆などの利尿作用のあるもの
がお薦めですが、
体を冷やす涼性のものが多いのでショウガや唐辛子などの香辛料を一緒に取るとよいでしょう。
その他の夏野菜(瓜・茄子・トマトなど)も生ではなく加熱調理することがお勧めです。
甘いものやフルーツも身体を冷やしますので、摂りすぎないように注意してください。
お酒も身体に「水」をため込みます。
また、ニンニクやタマネギ、ネギ、ニラなどには殺菌作用があるので、
この時期にかかりやすい食中毒予防のためにも多く摂取することをお勧めします。
また適度な発汗を促すこと、気・血を巡らせることも、水滞の解消には必要になりますので
スポーツやサウナ、入浴などで体の巡りをよくして代謝を高めながら、余分な水分=湿を汗として排せつするのも一つの方法です。

決して水分補給を我慢することがないように、排出する機能を高めることを意識してみてくださいね。
ジトジトの季節、雨の日も朗らかに元気で過ごせるよう、
毎日の生活で少し工夫してみましょう♪